The Velvet Underground

1965年結成、73年に解散。 この活動期間のうち、実働はわずか4年間であったが、 実験的なサウンドと美しいサウンドが同居した、 非常に芸術性と完成度の高いアルバムを発表し、 後の様々なアーティストに絶大な影響を及ぼしたロックバンド。
The Velvet Underground and Nico A-
White Light/White Heat C+
The Velvet Underground B
Loaded B+

The Velvet Underground and Nico A-

[総評]
1967年。アンディ・ウォーホルがプロデュースしたことで知られ、 バナナがデザインされたジャケットは有名。 このアルバムが与えた影響は大きく、 「3万枚も売れなかったが、このアルバムを買った者は皆バンドを始めた」 とはブライアン・イーノの談。 後にヴェルヴェッツが発表するアルバムの要素、 例えばアヴァンギャルドで実験な曲や、 落ち着いた芸術的な曲が、 全てこのアルバムに詰まっていると言っても過言ではない。
「Sunday Morning」「Heroin」の2曲が秀逸。 サイケデリック・ロック、アート・ロックにおける記念碑的な名曲。 また、次作を彷彿とさせる実験的な「European Son」や、 3rdアルバムの穏やかな雰囲気を持った「Femme Fatale」など、要素満載。

[ピックアップ]
Sunday Morning
★★★★★★★★★ 9

I'm Waiting for the Man
★★★★★★★☆ 7.5

Femme Fatale
★★★★★★★☆ 7.5

Heroin
★★★★★★★★★ 9


White Light/White Heat C+

[総評]
1968年。アンディ・ウォーホルがプロデュースから降り、 メンバー主導でのアルバム制作が行われた。 前作で見られた実験性、前衛性をとことん突き進めたアルバムで、 アルバムの大部分をギターノイズが支配するアルバムとなっている。 後のパンクロックや、インダストリアル系、シューゲイズ系など、 様々なロックシーンにつながる影響力を持ったアルバム。
このアルバムのハイライトは「Sister Ray」で、 即興演奏を基にしたギターサウンドが17分半に渡って奏でられている。 シンプルかつハードな曲調で後のパンクに影響を与えた表題曲「White Light/White Heat」を始め、 その他の曲も実験的な、歪んだギターサウンドが特徴。そんな中で、 元々は1stに入る予定だったという「Here She Comes Now」が逆に異彩を放つ。

[ピックアップ]
White Light/White Heat
★★★★★★★★☆ 8.5

Sister Ray
★★★★★★★☆ 7.5


The Velvet Underground B

[総評]
1969年。前作を最後にジョン・ケイルが脱退。 ルー・リード主導で制作されたこのアルバムでは、 前作と大きく異なり、 シンプルなロックサウンドが特徴。 実験的な曲は「The Murder Mystery」1曲に留まり、 「Candy Says」を始めとした穏やかな曲と、 「Beginning to See the Light」のようなオーソドックスなロック、 この2系統によって構成されている。
激しいサウンドの曲は無く、全体的に落ち着いたアルバムで、 穏やかな曲に佳曲が多く、アルバム全体の印象を決定付けている。 ドラマーであったモーリン・タッカーのヴォーカルをフィーチャーした 「After Hours」は隠れた良曲。

[ピックアップ]
Candy Says
★★★★★★★★☆ 8.5

Beginning to See the Light
★★★★★★★☆ 7.5

After Hours
★★★★★★★★☆ 8.5


Loaded B+

[総評]
1970年。このアルバムを最後に主要メンバー全員が脱退、 バンド自体は1973年まで継続されるが、実質的なラストアルバムとされる。 前作まで、セールスとは無縁の存在であったが、 今作ではある程度市場を意識したサウンド作りがなされ、 1stや2ndに見られたような実験的、サイケデリック的な要素がほぼ無くなり、 明快でキャッチーなロックサウンドとなっているのが特徴。
「Who Loves the Sun」「Rock & Roll」など、 極めてオーソドックスなロックサウンドが堪能できる。 アルバムのラストを締めくくる「Oh! Sweet Nuthin'」はブルース調のメロウなナンバー。

[ピックアップ]
Who Loves the Sun
★★★★★★★★★ 9

Rock & Roll
★★★★★★★★☆ 8.5

Oh! Sweet Nuthin'
★★★★★★★★☆ 8.5


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