レイ・ハラカミ

エレクトロニカやアンビエント・テクノに分類されるジャンルで活躍。 SC-88Proを用いた浮遊感のある独特の電子音が最大の特徴。 ちなみにこの音源はしばしばゲーム音楽にも用いられるため、 どことなく「ゲームっぽい」サウンドとも言える。
Unrest B+
Opa*q C-
Red Curb C+
[lust] B-

Unrest B+

[総評]
1998年。SC-88Proの持つ独特の音色と、その音に逆回転やエフェクトを加えることによって、ピッチが不思議に変化する、独特の浮遊感を持つサウンドが奏でられている。 アンビエント色が強まる次作以降の作品に対して、 今作は比較的ハウス色の強いエレクトロニカサウンドと言え、 ビートのはっきりした曲が多いという特徴がある。
「on」「dessert」などで聴かれる特有の音色にハマるか否か、 という点に、レイ・ハラカミというアーティストの評価を決定づける要素があると言ってよい。 ファーストアルバムだが、これ以降のアルバムはほぼこのアルバムでのサウンドがベースとなっている。

[ピックアップ]
on
★★★★★★★★ 8

dessert
★★★★★★★★★ 9

code
★★★★★★★☆ 7.5


Opa*q C-

[総評]
1999年。 前作「Unrest」でのハウス寄りなサウンドから、 徐々にアンビエント的な作風へと変化する過渡期の作品。 とはいえ、他のアルバムには無いハードなサウンドや、 実験的なサウンドを持つ曲が収録されているなど、 一筋縄にアンビエント寄りとは言えない、わりと雑多なアルバム。 前作に比べると、音源の持つ特徴的な音色をストレートに出したサウンドが多く、 前作とは微妙に異なった浮遊感がある。
過渡期の作品、という印象が強く、多様さでは他のアルバム以上だが、 その分コンセプトが薄れているような印象のある1枚。

[ピックアップ]
glimglim
★★★★★★★★ 8


Red Curb C+

[総評]
2001年。 特徴的な音色はそのままだが、 ミニマルなフレーズで構成されたビートレスな楽曲が多く、 アンビエントテクノ色をより強めたアルバム。 また、ピアノやアコースティックギター的なサウンドが随所に入っており、 フォークトロニカ的なサウンドにもなっている。 アルバムとしての完成度は高く、この作品、 もしくは次作「Lust」がしばしば最高傑作として挙げられる。
ある1曲がオススメ、というよりは、 アルバム全体を通しての統一感に優れている。

[ピックアップ]
Cape
★★★★★★★★ 8

Remain
★★★★★★★☆ 7.5


[lust] B-

[総評]
2005年。 前作「Red Curb」での、アンビエント、フォークトロニカ路線を継続したアルバム。 サウンド自体も、「Red Curb」のものをほぼそのまま踏襲しており、 かなり酷似した内容となっている。 そういった意味では、前作「Red Curb」と今作「Lust」は、 レイ・ハラカミサウンドの完成形と言え、 1作目の「Unrest」のような、歪んだ空間をイメージさせるサウンドはあまり見られず、 穏やかな広がりを持った空間をイメージさせるサウンドが特徴。
レイ・ハラカミ作品の中で唯一のボーカル曲であり、 唯一のカバー曲である細野晴臣「終わりの季節」が、 ある意味、このアルバムの印象を決定付ける1曲と言える。

[ピックアップ]
Owari no Kisetsu
★★★★★★★☆ 7.5

Come Here Go There
★★★★★★★★ 8

approach
★★★★★★★☆ 7.5


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