一方、シクッス王国。 こちらではいつもと同じように、ゆっくりと時が流れていた。 国民達は自由に行き交い、生活をする。 今日も天気は曇りのようだ。 山が多いと言うこともあるのだが...。 ルハ国王は独立記念日のイベントの準備をしているようだった。 ルハに指示されるままに、ローリーがせっせと動き回っている。 どうやら、パレードの際に使うボードに絵を描いているようだ。 「工作員は戻ってこないのかなぁ....。今年はちょうど100回目の独立記念日なのに....。」 ローリーの昔からの親友だった工作員。 ある事件をきっかけにシクッス王国から逃亡してしまったのだ。 しかし、ある事件が一体何なのか、ローリーは今も分からないままである。 あのドクタースリーフを追放されたいにしえと何らかの関係があるという話もある。 いつかきっと----そう思いながら、ローリーはただひたすら筆に魂を込める。 ローロック大陸は本格的な夏を迎えていた。 あちこちで汗をかく人々が見受けられる。 「昔はこんなに暑くなかったんだけどなぁ...。」 さんたろうが眩しい日差しを睨む。今年は異常に暑く寒い。 アヤルバムスでも、連日30度を越える猛暑。飛ぶように売れるクーラー。 中立地帯で何らかの原因が生まれているというが、果たして...。 「むう........」 ルイージの孫は少し困った表情をしていた。 「どうやら、怪我をした所から細菌が侵入してるみたいです。ドクタースリーフの病院に搬送するべきかもしれません」 「.....え、マジ?」 ゾーラ2の怪我は、思ったより深刻なようだった。 「よし分かった。」 さんたろうが許可を出した。 ゾーラ2はベッドに寝かされ、ヘリに乗り込む。 ちょうど反対側のドクタースリーフまでは半日かかりそうだ。 「頼みますね」 「おう」 ルイージの孫に代わり、にんてんがコクピットに乗り込んだ。 ヘリは、ゆっくりと出発していった。 「中立地帯で何も起こらなきゃいいんだが....。」 今も紛争が絶えない中立地帯。 毎日のように何らかの事件が起きているらしい。 と同時に、追放者や逃亡者の溜まり場にもなっているようだ。 にんてんは不安を抱えながら空の向こうへ去っていった。 -------------------------------------------------------------------------- ゾーラ2殿のケガを大きくしました。すいません(ぇあ つなげられるように何とか工夫してみたです。