「これで二人目・・・ リザレクション・・・ そしてこの世界の崩壊は着々と 始まっている・・・。さぁもがけ・・・ お前達は汚い虫かごに入った絶対に逃 げられない虫なのだ・・・フフフフ・・・ハハハハハ・・・・」 戦いが始まる。 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――― ドクタースリーフ・・・ 「これで二人目か・・・。世界は混乱し、賢者達は目覚め 我々ドクタースリー フが大陸、そして世界を統治するのも時間の問題・・・。かの古代帝国のように ・・・ 私が全ての『マテリアル』を支配するのだ・・・ 」 ドクターエフは静かに、しかし笑いながらそう話した。 「過去の画伯の力を宿している賢者達と、我々の国の誇る『赤黒の騎士団』の力 をあわせれば 他国を落とすなど簡単なことだ。それに大陸の医療は殆どが我が 国のもの・・・ それを利用すれば絶対王政も簡単だ・・・・」 秋瀬胡桃はうなずきながらその話を聞いていた。 (本当に・・・ 赤黒の騎士団を使うのか・・・) 玉座の前にいた秋無は思っていた。 「この豹変のしよう・・・ やっぱり国王は闇に飲まれ始めている」 自己の二元出現。 もともと秋無はこの作戦には反対していた。 そんなに簡単にアヤムバルス、シクッスを落とせるとも思っていなかったし、賢 者を利用しようなんていう考えも無茶だと思っていた。 それと、国王の二元出現。 闇があれば、光があり、光があれば闇がある。 光が発するところがあれば、必ずどこかに影、闇が出現する。 逆もまた同じ。 ドクターエフはその昔「闇」を色濃く持っていたという。 それを抑制するものが自分の中に現れた。それが「光」 皆が「国王」そして「ドクターエフ」と呼んでいる人物。 ドクターエフは「多重人格」なのだ 簡潔に言えば 医師として、皆に崇められ「国王として」働いているドクターエ フは「光」、皆に恐れられ「戦闘員として」働いているのが「闇」である。 いにしえも同じだ。 彼もとてつもない闇を持っていた。だからこそ光の「少女」の自己を持った そしてそのあまりにも正反対の自己は自分のドッペルゲンガーを生み出し、そし て。 やがて二人の人物に分離する。 これが中立地帯でも問題になっている「コピー人間」だ。 しかしコピー人間は無理矢理自己を二つに分けて自分のクローンを生み出してい るものにすぎない。 だが ドクターエフはその段階はるか先を行っていた。 分離をすれば、力のある方に殺され、 また「一人の人間として」存在することになる。 今話しているのは「闇」 「ドクターエフ」でありながら「ドクターエフ」では 無い存在。 秋無はこの豹変ぶりにぞっとしていた。 いくら人格が違うとはいえ、同じ見た目で人格だけが変わるという異様さに秋無 は恐怖を感じていた。 「考えてもみろ、今大陸で有力といわれている絵師は殆どが我が国の国民。他の 有力な絵師や戦士といえば、シクッスの「疾風の幻影(ソニックファントム)]ロー リー、焼け炎・・・」 「闇」は名前を列挙し始めた。 「それとアヤムバルスのルイージの孫とゾーラ2か・・・あとはいにしえの馬鹿 はほっといて・・・「静寂の霹靂(サイレント サンダー)」のやまりっく!くそ が!名前を思い出すだけでも忌々しいわ!」 「闇」はいきなり口調を変えた。 秋無は一瞬びくついた。 「(やまりっくてアヤムバルスの筆職人だよな・・・。なんか恨みを買っているの か?)」 意外な名前が出てきて 秋無は少し戸惑った 「・・・まぁいい。奴のことは思い出したくも無い。それよりも我がドクタース リーフの絵師、戦士群を見てみろ、『幻想蝶(イリュージョンパピヨン) 秋瀬胡 桃』『宝狩者(トレジャーハンター) クロ』『対重機関戦闘機(バスターバスター)  ひもの』『災呼者(モンスターサマナー) 秋無』そして私『血塗られた医者(ブ ラッディドクタ ー) ドクターエフ』この素晴らしいエリート戦士達・・・ 完璧だ・・・」 秋瀬胡桃はただうなずく。彼女は「光」も「闇」も受け入れているのだろうか。 もう、止められないのか・・・・ 「光」と「闇」の考えはまったく別だ。 リザレクションを発動させ、「止めようとする光」と、リザレクションを発動さ せ「進めようとする闇」 秋無にはもう訳がわからなくなった。 「次の賢者・・・ 『「技」の賢者 ぷー』か・・・・ ククク・・・ いいぞ 。事態は私が考えたとおりに進んでいる・・・・。」 「闇」は言葉を続けた 「さて・・・ すぐにイノショウ、トカゲの元に二人戦士を派遣しろ。そうだな ・・・クロと・・・ お前、秋無がいい。イノショウとトカゲに接触を試みるん だ。それと、他国民がいたら容赦なく排除しろよ。この計画を邪魔されたら困る からな。」 嫌な予感がしてたが悪魔のような任務が来てしまった。 「仰せのままに」 秋無は答えた。そう答えるしかなかった。 「よりによってクロとか・・・。やるしかないのか・・・」 秋無はしぶしぶ 準備のために外へ出た。  戦いが始まる。 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――― 「あれ?何処行ってたの?」 「(・・・聞くな)」 トカゲはいつの間にか戻っていたいにしえに話しかけていた。 「ははは、どうせどっかの偵察にでも行ってたんだろ?」 いにしえはぎょっとした。文字を書く字に震えが見える 「(・・・ どうしてわかる)」 「カンだよ。カン。ハハハ」 「・・・」 いにしえはやっぱりトカゲを恐ろしく感じていた。 この感覚の鋭さ、あどけなさ。そして残忍性。 子供のようなトカゲには不気味さを感じていた。 子供は第六感がすごく、そして容赦をしない。何かあれば子供はすぐ気付くし、 自分の嫌いなものに対しては徹底的に反抗する。 (理性がふっとんでいる・・・) そう、いにしえは思ったほどだ。 「さて、もうそろそろ時期が来たって感じかな。」 トカゲはやはり無邪気な声でそう発した。 「そろそろドクタースリーフに行こう。君もそれを望んでいるのだろう?」 いにしえははっとした。もう行くのか。しかしこれはチャンスだ。 「(行こう。復讐のため・・・)」 文字を書く字にも力が入る。 「そうだね。まぁでも準備はちゃんとしないとね。」 そう言うとトカゲは、あたりを歩き回った。 するといきなり、馬鹿でかいモンスターが出てきた。 (! ロボだ!) ロボとはこのあたりで出る、凶暴な狼のモンスターのことだ。 ベテランの戦士でもこいつには苦労するという。 いにしえはすぐ戦闘体制に入ろうとした。 しかし、いにしえが戦闘体制にはいっていた頃にはロボはそこにはもういなかっ た。 「・・・・ ディメンション・ゼロ」 トカゲだ。 「もうそろそろ この技も完成する・・・ ククク・・・ ハハハ・・・」 口調がいきなり変わったトカゲ。 不気味・・・ そしてこの異常な強さ。 (こいつ・・・ 怖い・・・・) いにしえはただただ恐怖し、そこから動けなかった。 「もうちょっと 準備が必要だね。あともう少し。」 トカゲは元の口調に変わった。 しかし いにしえは恐怖でもうそんなことはまともに聞いていなかった。 戦いが始まる。 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――― 中立地帯・・・ 工作員はこの辺りでも屈強の戦士だ。 絵師の能力こそ無かったが、そのずば抜けた身体能力は他者を圧倒していた。 そこらのモンスターなど彼の前ではアリ同然。 一瞬でその拳でひねり潰される。 彼はまさに「狂った野獣(クレイジー ビースト)」だった 今日は 工作員はモンスターを狩り終わっていた。 しかし 工作員はまだ何か満ち足りていないようだった。 「この程度では・・・ まだまだ足りないんだ・・・」 まるで、穴の開いたバケツ。水を入れても永遠に満たされることが無いかの如く 。 「相変わらずだな。ビースト野郎。」 近づいてきたのは華炎 刃だ。 「なんだよ。お前か。てっきりまたモンスターかと思ったぜ。」 「まだそんなことを繰り返しているのか。呆れるを通り越して関心するね。」 「ほっとけ。 これはおれの問題だ」 「そうかい」 工作員は毎日のように狂ったかのようにモンスターを狩っていた。 毎日、毎日 休むことなく。 ここ各国の亡命者やわけあって居られないような奴らばかりが集まるいわば無法 地帯。 どいつもこいつも考えていることがわからないような奴らばかりだが そんななかでもモンスターをただひたすら狩り続ける工作員は異常だった。 工作員の過去に一体何があったのかは誰も知らない。それどころか彼は自分のこ ともあんまり話さない男だ。 「元シクッス国民であること」それだけしかわからない。 いつの間にか中立地帯に現れ、いつの間にかモンスターを狩り始めていた。 無法者共も工作員にはあまり近づかなかった。 しかし「比較的」工作員に近づいている人間の華炎は、そんな工作員に興味を持 っていた。 そんな風に自分を思っている華炎を、なぜか工作員は悪い気はしていなかった。 「面白いな・・・ まさに狂った野獣。お前は本当に面白い。」 「何が面白いだよ。ヘリを面白おかしく撃墜する奴が言う台詞か」 「はは、まぁあれも一応目的があるわけだからな。」 「そうですか。それはよかった。」 工作員は呆れたかのように、口を閉じて、どこかへ行こうとした さて お前はどうだ。 華炎は何処かへ行こうとした工作員に切り出した。 工作員は足を止めた。 工作員は一瞬動きを止めた。そして 「確かに俺にも目的はある。だが、話すことは無い。絶対にな」 「そうかい。まぁそういうことにするさ」 華炎はすこしがっかりしたかのようだ。この様子じゃ口を割らすのは無理のよう だ。 あぁ、そうだ。 華炎はまた切り出した ユグレネ山で光の柱が走ったんだってな。 工作員はまた足を止めた。 しかし興味が無かったのか、まだそこを立ち去ろうとした。が、 シクッスの奴らもそこに来てるんだとよ。確かローリーとかいった奴だそうだ。 驚いたような顔で工作員は振り返ってきた。 「(アタリみたいだな)」 華炎は続けた。 「俺はちょっと面白そうだから、行ってみるぜ。」 「また 面白そうか」と工作員は言ったが、動揺しているようだ。 さて お前はどうする? 華炎はまた聞いた。 工作員は口を閉じてそこに立ったままだ。 「まぁ そんな訳だから俺は行って来るぜ。そんじゃ。」 工作員は立ったままだ。 「(工作員がユグレネ山に来るのは間違いない。後は・・・またあいつと一緒に行 くか。)」 華炎は「あいつ」の寝床に行くみたいだ。 「(情報によれば、アヤムバルスもドクタースリーフの奴らも来るみたいだな・・ ・。あとはいにしえと変な奴か・・・。 こりゃあ面白くなってくるぞ。)」 そう考えている間に「あいつ」の寝床に着いた。 「おい。ユグレネ山に行くぞ。祭りが始まるんだ。お前も来るよな。」 「あいつ」はしばらく考え、支度を始めた。「あいつ」も行くことが決まった。 「よし、行くぞ。」 「あいつ」は黙りながら、小型のヘリコプターを出した。 「おっと、野郎も来るらしいぜ」 そこには簡単な荷物を持った工作員が立っていた 「いよいよ 役者が揃ったって感じになってきたぜ。よし行くぞ。」 ヘリコプターは宙に舞った。 戦いが始まる。 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――― シクッスの3人は、光の柱に向かっていた。 しかし ただならぬ雰囲気は3人とも感じていた。 「あそこの大盛りスパゲッティ・・・ 完食したかったな」 ローリーが冗談交じりに言った言葉には、自分が安全に帰れる保証を期待してい ないという気持ちが隠されていた。 戦いが始まる ―――――――――――――――――――――――――――――――――――― やまりっくは嫌な予感を感じていた。 「やっぱり ついてねぇな・・・」 そうつぶやいたが、後ろにいた神風とエレクトロには聞こえなかった。 「あそこの大盛りラーメン もう一回食いたかったな ハハハ」 偶然にやまりっくはローリーと同じような冗談を言った。 しかしやはり二人には聞こえなかった。 戦いが始まる。 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――― ここまで読んでくれた方。お疲れ様でした(ぇぇぇ ・・・・長いです(ぉ 遂に各勢力が一点に集中ですね。ドキドキします(自分で書いといて 今回は中立地帯の話を新たに書きました。 これでよかったのだろうか(ぇぇ ドクターエフの設定を加えてしまった・・・ 許してください(何 いよいよ面白くなりそうだなぁ。ククク(???