―Dr.Fがリザクレションを発動させてから数時間後。 いにしえに飛ばされ、無事にアヤルバムスに戻ってきていたルイージの孫は いにしえに飛ばされたことを誰かに話さなければと思い、その辺をうろうろしていた。 その時、偶然にもゾーラ2が現れた。 「あっ! ゾーラ2。」 「おぉ! ルイージの孫じゃないか。 退院した後遊んだ時以来だな。」 「あぁ。 で、それはいいとしてさ。 実は相談事があるんだ・・・。」 「ん? 何だ?」 「いや、数週間前にさ・・・」 ―そしてルイージの孫はこれまでの経緯をすべて話した。 「・・・と、まあ。 こういうわけなんだ。」 「うーむ。 とりあえず俺を攻撃したノーパはいにしえで、そいつが魔石を手に入れて何かしようとしてると。 で、お前ははアヤルバムス城のお堀の中に飛ばされたと。」 「そういうこと。 で、あともうひとつあるんだ。 実はゾーラ2に聞きたいことがあって。」 「え? 聞きたいことって・・・?」 「いや、あのさ。 何でゾーラ2って筆で攻撃せずにムチでしか攻撃しないんだ?」 ―ルイージの孫がこう聞いた途端、ゾーラ2の顔色が変わり何も言わなくなった。 「・・・おい? ゾーラ2? おーい。」 「・・あ、あぁ・・・。 そのことか・・・。」 「どうしたんだ、ゾーラ2? 顔色よくねぇぞ。」 「あ、いや・・・。・・・あまりそのことは聞いて欲しくは無かったんだ。」 「え、それなら別に言ってくれなくてもいいけど・・・。」 「まあいいや。 どうせいつか分かることだ。 今話しておくよ。 うーん。 そうだなぁ・・・。 あれは絵師免許を取得したその日だったかな・・・。」 ------------------------------------------------------------------------------------------- ―今から遡ること3年前。ゾーラ2は満月の輝く秋の夜に一人、___の森の中をただ呆然と歩いていた。 何故ゾーラ2が一人で森の中にいるのか。 それはほんの2時間前、絵師免許を取得し、一人で___の森の中を歩いていた時のこと。 いきなりゾーラ2の前に全身黒ずくめの謎の男が現れた。 「・・・よぉ。 ゾーラ2。 久しぶりだな。」 「・・・誰だお前は。」 「あれ、俺のこと覚えてないのか。 まあ、覚えてるかって言っても、お前は俺の名前も聞いてないし顔も見てないしな。 ほら、5年前にお前の両親殺されただろ? あの時の犯人とでも言うやつさ。」 「何っ!? お前があの時の!?」 「あぁ、そうさ。 俺がお前の両親を殺してやったのさ。」 「何故!? 何故なんだっ! 俺も親も何もしてないんだぜ!?」 「何もしてない・・・? ハッ、笑わせるぜ。 お前の親のせいで俺がどれだけ苦労したか分かってんのか?」 「・・・? 何で俺の親のせいで見ず知らずのお前が苦労するんだよ。」 「まあ、何も知らないのも無理はない。 俺は・・・。」 ―そういって謎の男が黒い頭巾を取った・・・。 「なっ! お前はっ!?」 「ビックリしたか? 俺はお前の双子の兄、ゾーラさ。」 「これは・・・一体どういう事なんだっ!?」 「教えてやるよ。 俺はお前が生まれた後すぐに売られたんだよ。」 「なっ! 売られた!? 何故お前だけが売られなければならなかったんだ!?」 「さあ、それは俺も知らねぇな。 ただその後は奴隷同等のタダ働きをさせられた。 しかしそれにも耐え抜いて、何とか俺は絵師免許を取得することが出来た。 そして取得して一番最初にやったことが・・・。」 「俺の親を殺したってわけか。」 「そう言う事だ。 まぁ、経緯としてはこれくらいだ。 あとは・・・ゾーラ2っ! 貴様を始末するだけだっ!」 「なっ!?」 ------------------------------------------------------------------------------------------- 「それで何とか俺はあいつと戦ってとどめの1発を出せば終わりそうなところまで互いに持ち込んだんだ・・・。」 「・・・。 で、それと筆で攻撃が出来ない原因の何処に関係が?」 「まあ慌てるな。 それを今から話すんだから。」 ------------------------------------------------------------------------------------------- 「はぁっ・・・はぁっ。 貴様、免許取得したばかりの割にはなかなかやるな。」 「あぁ・・・。 免許を取得する前は武術を少しやっていたからな。 素早さはある・・・。」 「そうか。 しかし貴様もこれまでだ。 これがとどめの1発だぁっ!」 「兄とも呼べないような貴様に負けてたまるかぁっ!」 ―ゾーラとゾーラ2は空中で交わりあった。 そして・・・。 「くっ・・・くそっ! 何で俺が貴様なんかに・・・。」 「・・・お前の負けだな、ゾーラ2。 おとなしく死んで貰うぜ。」 「く、くそ・・・っ。 こうなったらアレを出すしかないのか・・・。」 「いくぞっ、ゾーラ2! 死ねぇぇぇぇぇぇぇっ!」 「くっ! ゾーラ、貴様ごときに負ける俺ではないっ! ヴェラゴ・ザ・ブリザードッ!」 「ぐはぁっ! ・・・な、何故俺が負けなければならない・・・。 くそっ! 貴様を倒すことだけを考えて生きてきたのに・・・ぐあぁぁっ!」 「ゾーラ。 貴様の苦労は良く分かる。 しかし・・・選択を間違えたな。」 「くそぉっ! こうなったら死ぬ前に貴様にこれだけでも浴びせてやるっ! トグロフ・カッターッ!」 「な、目、目がっ! 貴様っ! 何をしたっ!?」 「ハハハハハッ! お前が目が見えるようになった頃に、あることに気付いてるはずだ。 そしてそのことを知って、せいぜい最悪な人生を歩むんだなっ!」 「く、くそぉっ! き、貴様ぁっ・・・。」 ―そして。 「くそっ。 まだ目が見えにくい。 それにしても、一体何が起こったって言うんだ? 別になんとも無いんだが・・・。」 そういいながらゾーラ2が筆で攻撃をした瞬間― 「ぐわぁぁっ! ・・・な、何故俺に攻撃が・・・。」 「フッ・・・。 フハハハハッ。 やはり成功したか。」 「なっ!? ゾーラ、まだ生きていやがったのかっ!」 「まぁ落ち着け。 俺はすでに死んでるよ。 死んだらお前にメッセージが残せるようにしておいたからな。」 「今更お前からの言葉なんぞ聞きたくはない。」 「あ、そう。 筆を元に戻せるコマンド教えてやろうと思ったんだが。 残念だな。 じゃ、用は済んだし俺は逝くぜ。」 「なっ! オイ、待て! コマンドを教えていk・・・逝っちまったか。 くそっ!」 ------------------------------------------------------------------------------------------- 「・・・そう言うわけで俺は筆で攻撃が出来なくなったんだ。 そしてそのコマンドとやらも未だに分かんねぇんだ。」 「・・・。 で、ムチの方は?」 「あぁ、これか。 これ、特殊なムチでさ。 普通のムチと違って氷とか炎とか出せたりしてさ、 何か特に夜になると威力を発揮するらしいんだ。 まだ特にいじったこともないけど。」 「で、どこで見つけたんだ、それ。」 「___の森の奥にいた爺さんに貰ったのさ。」 「その老人って?」 「あぁ。 何か錬金術やってる爺さんだとか聞いてたけど。 まあ、その爺さんも3年前にもう死んでるよ。」 「そうか。 それなら爺さんのことはいいか。 ・・・辛い事思い出させちまったな。」 「あぁ。 今となって考えてみたら、ゾーラとの事は別に大したこと無いし。 やっぱり人に話すとスッキリするね、こういう話。 それに、ゾーラが現れなければ 今の俺のパートナーのこのムチだってなかったんだしな・・・。」 ―その時。 「フフフ・・・。 なるほど。 まだあの魔法の効き目は切れてなかったか。」 「えっ!? えっ!? まさか、コイツ・・・?」 「おやおや。 何をそんなにあわてているんだい、ルイージの孫よ。」 「ゾーラ・・・何故貴様がここに・・・。」 「ぞぞぞぞぞ、ゾーラッ? コイツがっ!? ホントにそっくりじゃないか!」 「俺が何でここにいるか? 教えてやるよ。 数日前にドクタースリーフの国王が何か起こしたらしい。 それでなんか知らねぇけど俺が生き返っちまったってことよ。」 「・・・? 何かってなんだよ。」 「いや、それは俺にもわからねぇ。 とにかく今は俺は急いでいる。 生き返った今だからこそやらなきゃならないことがあるしな。 そういうわけで貴様らと遊んでる暇はねぇんだ。 じゃあなっ!」 「え、おい、ちょっと待てっ!」 「ゾーラ2、俺が貴様を殺る前に死ぬんじゃねぇぞ。 あくまで貴様は俺が殺るんだからな・・・。」 「・・・。 行っちまったな。 って、こんなことしてる場合じゃねぇっ! とにかく今すぐ城へ戻らなければ!」 「あぁ。 急がないと大変なことになる。 行くぞ、ルイージの孫!」 「おうっ!」 こうしてルイージの孫とゾーラ2はアヤルバムス城へ向かった― ------------------------------------------------------------------------------------------- なんとゾーラという部外者が出てきました。(コラ しかも一度死んだのに賢者でもないコイツは復活しました。 この後、特に彼が登場する予定はありません。(ぇ (´∀`)あぁ。Castlevania楽しいなぁ。 レオンもカッコいいけど、ヨアヒムもまた。(黙れ