「で、トカゲの封印に関わる何かがある場所は知ってるのか?」 ルイージの孫が尋ねると、いにしえは大陸の地図を取り出した。 『今俺たちはこの辺りにいる。この森は各国をつなぐ通路としても開発されているが、奥はかなり深く、手つかずになっている。  残念ながらこの地図では詳しいことはわからないがな。  森の奥には遺跡があるらしい。そして、俺はこの遺跡に何かがあると確信している。  遺跡の近くには泉があるらしい。だからまずは泉を探そう。ちょうど水も無くなってくる頃だと思うしな。』 「そうか、これからの事はだいたい理解した。じゃあ、その泉を目指すか。」 『最後に1つ。  どの王も、内心では賢者の力や伝説の筆を欲している。これは間違いない。  さんたろう王は先祖である画伯に会いたいだけらしいから、あまり心配することも無いと思う。  だが、ルハ王についての話はあまり聞かないし、Dr.F王なんて裏でかなりとんでもない事をやっている。  もしかしたら、この2王の刺客が差し向けられているかも知れない。用心することだな。』 いにしえはすっかりくたびれたように、筆を片付けた。口を絶った事を少し後悔していた。 ルイージの孫もDr.Fに関してはいろいろな噂を聞いたことがあった。確かに警戒する必要は十分にあった。 「わかった。じゃあ、先に進むか。」 いにしえは腕を揉みながら頷いた。しかし内心思っていた。 「(賢者の力や伝説の筆を狙っているのは、王様たちだけじゃないけどな。)」  やまりっくと神風はシックス王国の城下町へたどり着いた。 が、どの店も閉まっていた。 「一体どうしたんだ?この異常気象が原因なのはわかるが・・・」 「何も起こってなければいいけど・・・あ、あの人に聞いてみましょう。」 「あのー、すいません・・・って、ローリーじゃないか!」 「やまりっくか!今日はどうした?」 「俺はこの筆をルハ王に届けるために来たんだ。で、こいつは神風と言うが、魔法の図書館に行くつもりだ。だから一緒に来ることになった。」 ローリーは面白く無さそうな顔をした。 「何だ、彼女を紹介しに来たのかと思ったよ。」 「いや、違うって。」 「あの、違います。」 何故かハモった。 「はは、冗談だって。」 「ったく・・・で、一体この町はどうしたんだ?」 「ああ、この異常な快晴について、王様が緊急に全国民を集めて何か発表するらしい。  俺はその間に店などが襲われないように、王の命令で見張りをしている。」 「そうか、お勤めご苦労。じゃあ、俺たちも城に行ってみるよ。」 「おう。今は大陸中かなり物騒になってきている。神風さんをしっかり守れよ。」 ローリーはそう言って親指を立てた。 「当たり前だ。」 やまりっくも親指を立てた。 城に向かう途中、神風が話しかけた。 「ローリーさんとはどんな関係なの?」 「以前大会の決勝で対決することになってな。良い勝負だったんだが、結局俺は負けてしまった。  だが、それがきっかけでお互い知り合うようになり、お互いの国に用があるときはいつも顔を見せるようになった。」 「へぇ、良いお話ね。」 「どうも。まあ、俺は紅桜に勝てただけで十分満足していたから、悔いはなかったかな。」 「あの紅桜さんに勝ったの!?すごいじゃない!」 「今戦ったら確実に負けるけどな。」 そうこうしながら、城へ向かっていった。 __________________________________________  【あと書きらしきもの】 11話で3週間たって、ルイージの孫なども国に帰ってきましたが、 ルイージの孫・いにしえとやまりっく・神風のエピソードを無かったことにはできないと思ったので、 とりあえずその続きを書きました。 でも、この続きを書く人は11話に繋がるように注意してくださいね(何) 次回は戦闘シーンも書いてみたいなぁ。と思っ