側近たちが戻っていった後、さんたろう王は椅子にすわった。 この椅子は、王に即位したとき父から譲り受けた、代々伝わる椅子である。 彼は考え事をするとき、いつもこの椅子に座るのだ。 するとどこからともなく、一匹の猫が忍び寄ってきた。 猫はそのまま王のひざの上にのり、すやすやと眠り始めた。 ここは、アヤルバムス王国の城のもっとも高いところにある王室。 王は、猫をなでながら何かを考えている。 実は王は、伝説の筆を使えば先祖である画伯に、 時空を超えて会うことができるかもしれない、と考えているのだ。 そう、彼は、画伯と血のつながっている数少ない人物なのであった。 さんたろうは窓際により、つぶやいた。 「あなたに会いたい…おじいさん。」 場所は変わってここは____。 さんたろう王の命令で伝説の筆探しに来た2人の絵師が歩き回っている。 「おいおい、もうここにきたの4回目だぜ」 といっているのはルイージの孫。 「がんばれ!迷ってなんか…いないよね?」   そしてゾーラ2。 「そもそもさぁ、こんな森の中に伝説の筆なんてあると思う?」 「仕方がないじゃないか。伝言板に書き込みがあったんだから」 「待てよ?ってことは、やっぱりここにはないかもしれないじゃないかー」 そのとき。 ドーーーーン!!  近くで爆音が聞こえた。 「何が起こったんだ!」 ルイージの孫が辺りを見回す。ゾーラ2が答えた。 「きっと誰かが爆弾を召喚したんだ!」 二人は急いで音のしたほうに走っていった。 「そりゃ、絵師法違反だぞ!?」 ルイージの孫が叫ぶ。 絵師法とは、絵師に関する法律の大本である。これに違反すると重罪になってしまうのだ。 「ということは…」 「まさか…」 二人は、小さな森の中にある小さな草原に出た。 そこには1人の怪しい人影が…。 「さてはお前、ノーパか!?」 ルイージの孫が威勢よく尋ねた。 「ここではそういうのかもしれない。」 深いマントを被った青年(?)が、答えた。 絵師協会に許可をもらっていないもぐりの絵師をアヤルバムスではノーパと呼ぶのだ。 彼は言った。 「余計な詮索はするな」 「なんだと!?」 「筆を探すなと言っているのだ。まぁ、そもそもお前らには不可能だろうがな」 「くっ…コノヤロ…」 「さらばだ。召喚、ペガサス!」 「待てー。召喚、箱型空中浮遊機!」 「召喚、ロケットエンジン!」 2人は森の上を飛び、ノーパを追いかけていく。ところが… 「プスプス...あれ?燃料切れ…」 なんと、ゾーラ2のロケットエンジンには燃料がほとんど入っていなかったのだ。 彼は、本来は作曲家として活躍しているのだが、 伝説の筆騒ぎで人員が足りないため一時的に仕えていた絵師なのである。 だから絵師としての能力はあまり高くはないのである。 「大丈夫か!」 「うぅ、ごめん、足に怪我をしてしまった…。」 「よし、とりあえず城に戻って、このことの報告と、治療をしないと。ほら、つかまって」 「ありがとう。ノーパにも逃げられてしまった…すまない」 「気にするな、とりあえず怪我のほうが先決だ。」 2人は王の下へ帰っていくのであった。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− とりあえずアヤルバムスのみ書いてみました。 ノーパの由来は無許可=No permissionの省略です。 さんたろう王の椅子には、画伯の力が入っていて…ごにょごにょ あのノーパの正体は…ごにょごにょ その辺は次の方、よろしく(何