第1話

時は、ローロック暦21010年―――

アヤルバムス国王、さんたろうは悩んだ口調で問いかけた。
  「うーむ。これをどう思う?」
その問いかけに、側近も歯切れ悪く返した。
  「わかりません・・・」
彼らは、突如国民の一部に不思議な能力が身についたことについて、会議を行っていた。
  「どうやら、国民の一部に、この大陸に古くから伝わる物語の中に書かれている
  『絵師』の能力が身についているようだな・・・。信じられん・・・。」
さんたろうはそう側近に話しかけた。
  「しかし、どうやら本当のようなのです。その能力の身についた国民を呼び、
  その能力の存在を確認しました。」
  「ふむ・・・。」

同じ頃、ドクタースリーフ国王、Dr.Fも同じく、家臣を集め話し合っていた。
Dr.Fは家臣を見回しこう言った。
  「私を含め、国民の何名かに「絵」を実体化する能力が身に付いているのだが・・・
  誰か、何か情報を知るものはいないのか?」
  「どうやら、この大陸に伝わる伝説の中に出る、『絵師』の能力のようですな。」
と、一人の家臣が
  「ふむ・・・。そのような伝説なら耳にした事がある。
  しかし・・・何故急にそのような能力が・・・。

そしてやはり同じ頃、シクッス国王と国民が集まり、大会議を開いていた。
国王のルハが代表し、議題を述べる。
  「どうやら、この国の住民の一部に、『絵師』の能力を持つ人がいるようです。
  なにか、情報を知っている人がいれば、挙手をお願いします。」
ルハは、そういって辺りを見回した。
国民の間にざわめきが起こり、「知ってる?」「うーん・・・」といった会話が次々と起こった。
数分後、ある考古学者が挙手し、伝説についての話をした。
  「ふむ。どうやらその伝説が関係している事は間違いないようですね。
  とりあえず、原因がわかったので今日の会議は終了とします。」
ルハはそう呼びかけ、会議を終了させた。

そして3国共に、この「原因究明」の会議が終わった後
奇しくも全く同じ考えを抱くことになった。
それは
  「―――この伝説に存在する『伝説の筆』を手に入れよう」
という考えだった。


第2話へ